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宍戸式イントラ反転

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宍戸式三極管イントラ反転方式

それがWAVAC Audio Labのパワーアンプの心臓部です

 

「宍戸式イントラ反転アンプ」は、故宍戸公一先生と、当社の吉澤保夫博士との師弟関係の中で生まれ、世に送り出されたものです。

宍戸 公一 先生 略歴

(1936年<昭和11年>9月30日ー1998年<平成10年>3月19日、61歳逝去)
熊本県玉名市生まれ。
熊本電波専門学校を卒業後、1級無線通信技師として三井船舶で世界をめぐる。
その後、学習院大学経済学部を卒業。米国に渡り、オレゴン州立大学院にてMBAを取得、ニューヨークでの大手広告代理店勤務を経て、米国での永住権を取得。
1971年(昭和46年)に東京へ派遣され、日本に帰国。幼い頃から好きだったアンプ造りを再開し、趣味が高じて宍戸式イントラ反転アンプを発明、『MJ無線と実験』に多数発表する。方、ヘッドハンティングにより各社を歴任後、株式会社共同広告社にて重役を務め、1997年に定年退職を迎える。

著書:『送信管によるシングルアンプ製作集』誠文堂新光社(1992年)

 

「宍戸式イントラ反転(IITC)」とは何か

イントラ反転方式とは、真空管アンプのAクラストランスドライブ方式の一つで、故宍戸先生によって考案されました。

従来、送信管はCクラスでの使用が多く、オーディオの世界でも、高電圧小電流ドライブによって使用されていました。

Cクラスの送信管は技術的にも扱いが難しく不安定で、メンテナンスも大変です。また、高電圧小電流ドライブは、音も硬ければパワーも小さく細る、と言われています。それに比べ、イントラ反転方式であれば、低電圧大電流方式で大出力化が可能です。そして、音も十分に太く繊細、というリアルな音像が得られる貴重な方式です。

冷戦の終結以降、それまでストックされていた送信管が放出され、面白い真空管が出回るようになりました。宍戸先生はその中から801に着目され、ドライブ方法の研究により、旧型の大型送信管の動作法に新境地を開かれたのです。

 

さて、オーディオ用のアンプは、現在、過半のアンプが半導体アンプと言っても過言ではありません。

しかし、半導体アンプは、なんといっても、

「音が悪い!!」

というのが、衆目の一致するところでした。これによりオーディオ離れが進み、オーディオ不況とも言われる状態になっていると考えられます。

こうした中で、宍戸式イントラ反転ドライブ方式は、唯一音が良いといわれる300B、2A3という直熱三極管シングルアンプを使用しながらも、それらの欠点である「出力不足」を解消する絶妙な発明でした。「音も素晴らしい!」と評価され、慧眼と謂われる方式です。

宍戸式直熱三極管シングルアンプの大出力化がもたらしたメリットは、低能率のB&Wを頂点とする現代スピーカーを楽々と鳴らしきるなど、スピーカーを自由に選択できるようになった点です。

 

「宍戸式イントラ反転」の特許取得に関して

イントラ反転方式は、宍戸先生が発明された際に実用新案を特許出願をされていたのですが、拒絶理由通知(オフィシャルアクション)が届いた時に特許庁の係官との間でトラブルがあり、拒絶査定状態でした。

そこで、拒絶理由の詳細を鈴栄内外国特許事務所にて調査して頂き、問題点を把握したところ、錯誤によるトラブルだということが判明しました。内容と文言で争う場合、すれ違う場合も多々あることは、良く知られたことです。

そこで、吉澤保夫個人にて宍戸先生の出願を買い取らせていただき、改めて実用新案から特許に変更し、再出願した次第です。拒絶理由となっていた点を改善して再出願したため、そのまま受理公開となり、特許が成立しました。

その後、現在の有限会社タックリサーチに所有権を譲渡し、イントラ反転方式の直熱三極管シングルアンプを引き続き製作しております。

 

吉澤博士より「宍戸先生との思い出」

私が宍戸先生と師弟関係となり、それまで805による50Wアンプが直熱三極管シングルアンプの最高出力でしたが、833による100Wを設計したことが忘れられない思い出です。

さて、最初の頃私の設計したのが、EC-4304です。先生がMJ誌に掲載されていた808を参考に、種々試作し宍戸式の優秀さに舌を巻き、お電話を差し上げたのがきっかけで、ご自宅に参上するようになりました。

いろいろな、設計上のご助言をいただき、EC-4304をデザインしました。それまでの真空管アンプに欠けていたデザイン性を取り入れ、アルミブロックから切り出す新手法を考案し、試作しました。また、ソケット等もテフロンから削りだし、リン青銅に金メッキしたピンを新しく設計しました。ケースのアルミブロック化は、思わぬメリットが多々ありました。まず、トランスの鳴きによる真空管のモジュレーションの減少、シールド効果による雑音の低減などです。

また、ガラスキャノピーの使用がデザイン上も特異な効果がありますが、放熱の点でもガラスチムニー効果により空冷による自然対流が大きく寄与します。

4304はRCA800と同等の規格でITTが作った綺麗な直熱三極管で、ガラスの色も見事です。また、ペアで購入できるので左右の特性も合いやすく、素敵なイントラ反転方式アンプに仕上がりました。このEC-4304イントラ反転方式直熱三極管シングルアンプが最初にグッドデザイン賞をいただきました。

お気軽にお問い合わせください TEL 0238-23-1075 受付時間:10:00 - 18:00 (日・祝日除く)

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